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毎日携帯200モデルが新発売されるカオス! 情報量を武器に中国モバイル広告市場を制覇

億動広告伝媒(Madhouse) CEO Joshua Maa氏

――Madhouseの事業内容を教えてください。

 中国で携帯やスマートフォンに広告を配信するモバイル広告事業を行っています。会社名の由来も“狂った(mad)集団(house)”ではなく(笑)、モバイル(Mobile)の広告(Advertisement)をする会社という意味です。2006年の創業以来、従業員は180名を超え、上海、北京、広州に拠点を構える中国のモバイル広告の最大手企業となっています。売上ベースでいうと2010年度はブランド広告が92%で、残り8%がEコマースなどのコンテンツ広告です。今年は、特にブランド広告以外の分野のビジネスが拡大しています。

――中国では、どのようなモバイルブランド広告が成功していますか?

 ブランド広告の場合には、オンラインだけでなくオフラインも融合した広告、消費者をサプライズさせる、話題になりやすく口コミで広まりやすい広告が成功していると思います。
 例えば、昨年のマクドナルドの広告もそうです。バス停など交通量の多い場所に、マクドナルドで販売しているアイスクリームの写真を2つ並べて、「この2つのアイスクリームのどこが違うか分かりますか?もし分かったら、この2つのアイスクリームの写真を撮って、どこが違うかをコメントしてSMSを送ってください」という文言とともに掲載します。そしてSMSを送ってくれた人に、「実はこの2つのアイスクリームは全く同じです。違うのは価格です。1つアイスクリームを購入すると、2つ目は半額になるからです」と返信するのです。このように単なる半額キャンペーンではなくアイデアを工夫することで話題となり、口コミで広がるのです。

他には淘宝網(タオバオ)で販売されたAngry Bird(有名な携帯ゲームのキャラクター)の月餅キャンペーンもそうです。上海の繁華街「港匯広場」の大画面モニターに映るパスワードを見た人が、モバイル淘宝網を使ってその場でAngry Bird月餅を購入する場合のみ、0.01元(≒ほぼ無料)で買えるというキャンペーンです。これも話題になりました。

 イメージを大事にするラグジュアリーブランド、例えばシャネルやBMWなどの場合は、モバイル広告の成果ももちろんのこと、アプリやキャンペーンのコンテンツの中身や広告を配信するメディアなどにも拘わる傾向があります。

――モバイルのコンテンツ広告の状況はどうですか?

 コンテンツ広告の主な顧客であるEコマース企業は今、必死でユーザー獲得競争をしています。中国はスマートフォン利用者が全体の10%を超えようとしており、モバイル利用者が急拡大しています。競合企業より会員を多く集め、早くマーケットシェアを取ることが重要です。今はまだ新規顧客獲得コストが1人あたり2~3元ですが、今後形勢が固まってくるとそれが5元、10元に跳ね上がることになるからです。

――Madhouseの強みは、どのようなところでしょうか?

 モバイル端末のテクノロジーに精通していることと、あらゆるモバイル端末に最適な広告を配信できるノウハウです。
 ある程度標準化されているPCウェブの世界とは異なり、モバイルネットの世界(特に中国)はカオスです。中国には携帯端末メーカーが400以上あり、現在中国で販売されている携帯モデルは約8万モデルあります。そして毎日200モデルが新たに発売されています。
 この8万モデルそれぞれ、画面の大きさ、解像度、OSが異なるのはもちろんのこと、通信チャネルもさまざまです。キャリアは中国移動や中国聯通、中国電信があり、通信方式も2Gや3G、wifi経由など多岐に渡ります。加えて、同じチャネルでも状況に応じて通信速度が変わります。

 このようなカオスの中で、消費者の関心を引くモバイル広告を届けるためには、ユーザーのモバイル端末の利用状況に応じて、最適な広告を選択して配信しなければならないのです。配信に使うサーバーも消費者のロケーション、利用しているキャリアによって最適化しなければなりません。
例えば、画面サイズの大きい携帯端末に小さな画面サイズ用の広告を表示してしまうとおかしいですし、多人数でWi-Fiを共有利用していて通信速度が遅い状況で、重たい動画のコンテンツ広告など流してもユーザーに見てもらえないからです。我々は、ユーザーの使っている携帯端末、モバイル回線の状況に応じて、最適な広告を提供するノウハウとテクノロジーを持っています。ブランド広告では、広告代理店と役割分担しながらクライアントに最適なモバイル広告を提供します。

 また、モバイルユーザーのカバー率が高いのも我々の強みの1つです。現在中国のモバイルネットユーザーは3.5億人と言われていますが、我々がリーチできるユニークユーザーは2.6億人、つまり全体の74%です。また、今年の我々の年間広告インプレッション(広告表示回数)は、240億程度になる見込みです。

――ユーザーの携帯モデルなどの情報は、どうやって入手するのですか?

 モバイル端末の通信データの中には、ユーザーエージェントプロファイルという、どのキャリアで、どの携帯端末から通信しているのかという情報が含まれています。我々はそのデータを活用して、利用者ごとに配信する広告の最適化を行っています。
 さすがに携帯モデル毎の画面の大きさ、画素数のようなデータまでは入手できないので、それらは別途自社で調査する必要があります。我々は、毎日新たに発売される200種類の携帯端末モデルまで、このような情報を確実に押さえています。この情報が、競合との差別化要因にもなっています。中国のモバイルトラフィックデータを見ていると、大きな変化も読み取れます。例えば昨年までは広東省など華南地区のトラフィックが多かったのですが、今年は上海などの華東地域のトラフィックが華南地域を超えています。

 また、どんな携帯端末を使っているかが分かると、ユーザーの属性もある程度予測できます。例えばブラックベリーを使っている人は外資系企業に勤めるエリートとか、サムソンを使っている人はファッショナブルとか、ノキアを使っている人は保守的などです。利用している携帯端末の価格を一定以上に制限することで、購買力のある人に絞ったモバイル広告も配信できます。

――スマートフォンで利用するメディアとしては、アプリとウェブの両方があると思いますが、今後はどちらが主流になると思いますか?

 私はウェブが主流になると思います。HTML5が普及するという技術的な側面もそうですが、ユーザー視点で考えても、アプリよりもウェブだと思います。私の携帯にも、ダウンロードしたアプリが200~300ありますが、毎日使うアプリは10未満です。ユーザーは、無料だからとか、面白そうだからといってアプリをダウンロードしますが、その後、継続的に使うアプリはとても少ないのです。

――Madhouseは海外にも進出する予定ですか?

 初めての海外拠点として今年、インドに進出し事業をスタートしました。中国と同じように携帯端末モデル数、通信状況が混沌としているインドのような市場では、我々のノウハウが活かせると考えています。

(ダイヤモンドオンライン「リアル中国ビジネス」2011/12/21掲載

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