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接触から購入までの“ストーリー”で売れるマーケティングを考案New

上海九誠浮力 郭九誠氏、左右真哉氏

 

――九誠浮力とは、どのような会社で、どのようなサービスを提供しているのでしょうか?

[左右] プロモーションイベントや展示会の企画運営などをメインに、ウェブとコラボレーションするキャンペーンも多く手がけております。中国での「売るお手伝い」が得意です

――中国で販促イベント、販促キャンペーン等で、成果を上げるための秘訣を教えて頂けますか

[郭] 弊社が重要視しているのは、「シンクロニシティ(商品・サービスで提供したい価値と消費者が受け取る価値をシンクロさせること)」です。消費者とは誰のことか、その人が普段どのような生活をして、どのような場面で商品と関連性を持っているのか、どのような価値観の持ち主なのか。企画を担当する弊社の担当者が顧客の考えと「シンクロ」して、企画立案と運営に臨むことを心がけています。

 多くの日系企業が中国進出の際に、「富裕層を狙いたい」と言いますが、そう話す企担当者に限って、「富裕層は誰なのか」という具体的なイメージがまったくできていない人が多いものです。ターゲットとする消費者の具体像を「この人」というレベルまでイメージできて初めて、商品のマーケティングプランを考えることができます。机上の空論ばかりで事実を見ないマーケティングは一番のタブーとしています。

――中国人の消費者心理を理解した販促とは、具体的にどのようなものですか?

[左右] 企画の段階で「ターゲットとなる人」がプロモーションと接触するところから、商品を購入するまでの「ストーリー」を築き上げることです。

消費者の注意を引くという意味では、イベントに「ゲーム性」を持たせたり、「サプライズ」を取り入れたりするなど、できるだけ消費者を巻き込むことでコストパフォーマンスを上げるようにしています。アイディアの斬新さや、弊社の収益よりも、「ターゲットとなる消費者の心を掴むために、できる限りのことをやる」ことを優先しています。

なぜ今の中国で参加型キャンペーンが有効かというと、微博(Weibo:中国語版ツイッター)やスマートフォンの普及に伴い、消費者一人一人が「媒体」そのものになりつつあるからです。現実の世界で行ったことを、それに参加した多くの消費者に「写真付きで呟いてもらう」ことで、現実世界での物理的な限界を越え、且つ追加コストなしでとてつもなく多くの人々に伝えることができます。

クチコミは消費者から信頼されている情報収集ツールです。現実で行われるプロモーションをクチコミのネタとして考え、最終的に消費者が実際の購入に至る“導線”を、最初から最後までつなげることができれで、大きな効果を狙えます。

――日本企業の物産展の企画・運営も手がけられたことがあるそうですね。どのような商品が中国人消費者に人気があるのでしょうか?

[郭] 一概には言えません。ただし、中国の市場はまだ日本ほど成熟していないため、「商品としての基本価値がしっかりしていて、その商品価値をうまく消費者に訴求できている商品」が売れる傾向にあります。

例えば、実際に弊社で担当した商品ではありませんがみそ汁の作り方をマンガで小さなシートにプリントし、丁寧に消費者に説明している会社の方が、他の会社より多くの味噌を売ったという事例があります。

――マーケティング手法の一つに、無料サンプルを配布し、まずは商品に触れてもらうという手法があります。しかし、中国では安易に無料サンプルを配布するのは良くないと聞きます。

[左右] 無料サンプルを提供するといくつか問題が発生します。代表的なものが「実際にカネを払って買ってくれる可能性がない人に届いてしまう」、「1人の消費者に複数回届いてしまう」というロスの問題です。それ以外にも「無料でもらえるもの」という認識が定着してしまうと、安売りを頻繁に行う商品と同様に、通常の値段で商品が売れなくなってしまいます。

そこで、何らかの「ハードル」を設定することが重要です。そのハードルを乗り越える努力をした人に限定して無料サンプルを配布することで、ロスを減らすという方法が、中国では一般的です。

例えば、ネット販売で大きなシェアを持つ淘宝網(タオバオ)では、送料込みで1元のサンプルを、商品限定でIDごとに1つ配布するという方法もその1つです。他にも、無料サンプル提供の代わりに、個人情報や使用後のフィードバックの提供を要求することもハードルをつけることになります。

無料サンプルだけでなく、割引券を配る場合もハードルが重要です。マクドナルドなどの飲食店が割引クーポンを提供する場合にも、ネットでダウンロードをしなければならないとか、少し離れた場所にある機械でダウンロードしなければならないなどのハードルを設けるケースが増えています。安売り情報を限られたチャネルのみで配布していて、その情報を仕入れること自体をハードルにしている場合もあります。

――地方の3級都市等でも販促イベントを行うことがありますか? また、北京や上海などの大都市でのイベントと比べてどのような違いがありますか?

[郭] 中国全土でイベントを行うノウハウがあるのが我々の売りの1つです。上海などの大都市では、欧米や日本文化、流行に敏感な人が多く、ちょっとしたことでは消費者の関心を引くことができません。しかし、3級都市などではベタなキャンペーンが有効です。

上海の展示会やイベントでは、豪華な施工をしないと誰も見に来てくれないのですが、地方では逆に豪華過ぎるセットは敬遠されて来てくれないということもあります。その都市の発展の度合いをよく見て、環境に合わせるというか、相対的に判断することが大事だと思います。

1億総中流が支える「ボトムアップ型」の日本市場と比較して、中国市場は「トップダウン型」になっています。極端に貧乏な人と極端に金持ちの人が混在する、貧富の差が非常に大きいのが中国です。2、3級都市など下級都市ほど、貧富の差がより顕著に表れます。また、2、3級都市は、上海と比べて商品のバリエーションが少なく競争が緩いことを考えると、実は2、3級都市の方が、ユニークで希少価値もある日本の商品が売れる市場だという考えることもできるでしょう。

実際には、弊社が手がける、販売も兼ねた全国巡回ロードショーで最も売上げを上げる都市は、商品によっては杭州だったり沈陽だったり、ハルピンだったりと、バラバラです。

――中国で販促のイベントを開催する場合に、どのくらい費用がかかるのでしょうか?

[左右] もちろんピンキリです。イベント開催費用は、会場代、展示物の施工代、運営代などから構成されていて、ほかに演出関連、PR関連、タレント関連の費用も場合によっては発生します。例えば、上海のデパートのイベントスペースで行う場合は何十万元(日本円にして数百万円)ほどの費用が発生するでしょう。

――中国で最近流行っている微博(Weibo:中国版Twitter)を使ったクチコミマーケティングもやられているようですね。

[郭] 微博やブログなどのクチコミマーケティングは、今、中国でとても有効なツールです。弊社では、3段構えのクチコミマーケティングを行っています。

まずはKOL(Key Opinion Leader)である有名人につぶやいてもらい、それを引用する形で、フォロワーを多く持つ一般人のCL(Community Leader)につぶやいてもらいます。そうすることで、最終的なターゲットとなる一般消費者にメッセージを届けるというイメージです。

例えば、有名人に微博でつぶやいてもらうときには、商品の写真とセットでつぶやいてもらいます。これは転送されやすくするコツでもあります。通常、協力してもらうKOLやCLの方々には数千元~数万元の報酬を支払います。実はこの報酬はブロガーの影響力向上に伴って、日々上がっています。

――微博のクチコミマーケティングを行う上で、他に重要なことはありますか?

[左右] 中国で行なっている方法は、日本では「ヤラセ」と捉えられてしまうため、ほとんどの場合で成立しないやり方です。しかし、中国では、やり過ぎるくらいのクチコミの方が効果が出ます。中国の消費者はある程度「これは広告であろう」という認識のもとで商品と関連する記事を読む人が多く、あからさまに消費者の思考力をバカにするようなやり方を除いて「仕掛けるクチコミ」が悪い方向に炎上するケースが極めて少ないのも特徴です。

ですが、九誠浮力の仕掛けるクチコミは、消費者に違和感なく自然に受け取ってもらうことを最も大切にしています。企業のプレスリリースのような記事は誰も読みたくなく、ブロガーの品位も下げてしまうからです。したがって、クチコミを依頼するKOLやCLの選定では、有名人かどうかやフォロワー数が多いかだけではなく、その商品について自然につぶやける人物かどうかが重要なのです。弊社では、専任者を配置して、影響力のある微博、ブログやその発言内容を毎日チェックしてその辺りを丁寧に調べています。

また消費者に人気のある商品が抽選で当たるキャンペーンなどもクチコミで広がりやすいので有効です。ただ最近、「iPhone5を発売後に抽選でプレゼント」と先走ってキャンペーンを行った結果、iPhone5ではなくiPhone 4Sが発売されて困っている会社もありました(笑)。

他にも多少、応募者に頭を使わせるなどハードルを設定すると参加者が増えます。このハードルは低過ぎても高すぎてもダメです。高すぎると参加者が減りますし、低すぎると抽選プレゼント自体がウソだと思われてしまうからです。

つぶやきの配信時間も大切です。微博はタイムラインに次々に新しいつぶやきが現れ、古いつぶやきは埋もれてしまうので、いかにターゲット層が見てくれる時間帯に配信するかで効果が大きく変わるからです。

[郭] いずれにしろ、微博という新しい情報プラットフォームのあり方も含めて、日々変化しているので、「今日の有効なやり方は、明日に通用すると限らない」という気持ちで変化を楽しみつつ、コストパフォーマンスを考慮しながら臨機応変に、クライアントの「売るお手伝い」をしています。

――販促成功のために重要なポイントは何でしょうか?

[左右] 販促成功のためには、企画力と執行力は両方不可欠だと思います。強力なキャンペーンを完成させるための二本足です。

販促プロジェクトのサイズに関わらず、マーケティングの方向性をリードする人の才能とセンスが成功の多くの割合を占めると思います。60%以上を占めると言っても過言ではないでしょう。

最初の社内のマーケティング担当者選び、または広告会社選び、ひいては広告会社の担当者選びに至るまで、慎重に行うことが成功の重要な第一歩と言えるでしょう。ここを間違えると販促の成功は不可能になります。

――日系企業に対して、販促成功のためにアドバイスするとしたら、どのようなことがありますか?

日系企業は意思決定のスピードに問題があるように思います。中国経済が凄まじいスピードで進化していることは言うまでもなく、市場も日々変化しています。過去の成功事例も、条件が少しでも違えば応用できなくなります。したがって自社商品の「販促成功パターン」に辿り着くまでPDCAを繰り返していく必要があります。そしてそのためには、すぐに調整できる意思決定の柔軟さと、スピードが必要となります。日系大企業の階層的な決定プロセスでは、確かにリスクを減らすことができるかもしれませんが、多くの機会損失にも繋がってしまうでしょう。

もちろん、これは企業文化であって、一概に善し悪しで纏められないのですが、弊社としては、やりながら考え、“頭でっかち”は避けるということです。

 

(ダイヤモンドオンライン「リアル中国ビジネス」2012/2/21掲載

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